OS(対物性愛)とは何ですか?

OS って何? 

オブジェクトゥム セクシュアリティーとは物を愛する性的傾向です。

「性傾向」と言えば、性的な好み、嗜好と言えますが、一般的には「異性、同性もしくは両方の性の人間に対する性的欲求」と定義され、普通その対象に物体は含まれていません。 

でも、「傾向」の定義は「信条、感情、価値観、生まれ持ってきたものなどが複雑に影響し合ってある特定の行動に走らせる思考状態」を言います。これには物体も含まれていると言えます。

私たちは物体を愛し、多くのOS の人はより深く親密な感情を物体に対して持っています。この感情は生まれもって来たものです。ほとんどのOS の人たちはこのような感情に思春期の頃気がつきます。そしてその後、自分は周りの人たちとは違う、自分は理解してもらえないのだと強く認識するようになります。OS の人たちは、 社会的なプレッシャーを感じたり疎外感を感じたりしますが、このどうしようもない感情をどうすればいいのかわからないことが多いのです。

OS の人の愛の感情ってどんなものなのですか?

普通の人が特定の体格や能力のタイプの人を好むように、OS の人たちも特定の形もしくは機能を持つ物体に惹かれます。時には普通よりも物に魅了されるため、物に対する執着心が強すぎると批判されることもあります。

OS であることと物に執着するのとはどう違うのですか? 

実際のところ、あまり差はないと思います。愛という感情は人を虜にします。愛という感情自体が愛するもの(者、物)を独占したいと願う感情です。私たちの愛する対象があまりにも普通からかけ離れているので、私たちの愛は愛としてではなく執着として見られるのです。

どうやって物を愛することが出来るのですか?

これは「愛」とは何かという問題になります。でも、「愛」を定義するのは難しいのです。「愛」にはいろいろな形があり、いろいろなレベルでの愛があるからです。実際には誰をも、そして何をも愛することは可能です。愛する対象を傷つけたりしないかぎり「愛」にはルールはないしこの複雑な感情を誰に、また何に向けようとかまわないはずです。

愛の形、深さにはいろいろあります。グラフにしてみるとベルカーブみたいになっていると考えてみてください。真ん中は大多数の男女間の愛で占められるとしたら、私たちは端っこの少数人数なのです。だから私たちの愛の形を批判する人が多いのです。でも、私たちの愛もやっぱり愛という偉大な感情の一部なのです。

でも、愛し合い関係を築くためにはギブアンドテイクが必要だと強く信じている人にとってはこれは答えにならないですよね。確かに、物体を魂のないものとしてとらえるならば、OS の人の愛はただの片思いで恋愛関係は成り立たちません。でも、どのような性傾向の人であろうと片思いはあるし、ほとんどの場合私たちは物体から愛されていると感じているのです。

どうやって公共の建造物を愛することができるのですか?

OS の人が皆、公共の建造物を愛する訳ではありませんが、そういう人は遠距離恋愛をしている人と同じような問題に突き当たります。その物体に関わる仕事をしているとか、その近くに住んでいるということがない限り、距離は関係を築くにあたって障害となります。その障害を乗り越えるために、多くのOS の人たちはその物体のモデルを作ったり手に入れたりします。モデルは実物の代わりにはなれませんが、その物体の一部であるような感じがするのです。普通の人たちが恋人の写真を持ち歩いたり、もらったアクセサリーをつけたりするのと同じことです。もちろん、出来る限り愛する物体そのものと出来るだけいっしょにいたいのは同じことです。

どのようにして物体とコミュニケーションをはかるのですか?

誰でも他人とコミュニケーションするためには言語を学ばなくてはなりません。赤ちゃんは環境に順応するとともに言葉も学びます。コミュニケーション障害などがある人はもっと後になって、コミュニケーションの仕方を学ぶ人もいます。強い愛情が私たちをその物体に関するあらゆるインフォメーションを集めさせます。その物体についてよりよく知ることにより、をの物体の心をも知ることが出来るのです。多くのOS の人たちは物体にも魂があると信じています。

コミュニケーションは言葉だけではなく、いろいろな形でなされます。多くのOS の人たちは感覚で物体とコミュニケーションします。でも、これは私たちがすべての物体とコミュニケーションできるということではありません。普通の人でも話の合う人、合わない人、まったくコミュニケーションが出来ない人などいろいろいます。私たちも同じことです。でも、中には物体に話しかけるOS の人もいます。

親密さ、セックスとOS

このトピックは必ずみんなが関心を持つトピックです。物体とのセックスは知的好奇心をかき立てそれが非難へとつながるのです。私たちに「物体とするの?」と訊くことは、愛し合っているカップルに「あなたたちするの?」と訊くのと同じことです。たいてい答えは「はい」ですが、セックスを供わない恋愛関係があるのと同じように個人的理由からセックスをしないひともいます。

ここでひとつ明確にしておきたいのは、Objectum Sexuality の中のセクシュアリティーという言葉はセックス行為のことをさすのではありません。ヘテロセクシュアル、ホモセクシュアルなどと同様、性傾向を示す言葉です。

セックスという言葉自体の定義も取り上げなくてはならなくなるので、セックスと言う言葉を出来るだけ使いたくないのです。私たちのパートナーは人間ではありませんから、もっと広義に使える親密さ、官能などという言葉を使います。でも、親密さという言葉はとても曖昧ですから、一人の人に取って親密であっても他の人に取ってはそうでない場合もありえるわけです。

OS の人が言う親密さとマスターベーションとはどう違うのですか?

一番嫌なのは他人が私たちと物体がセックスしている状況を想像してこういう質問をするときです。もちろん物体を愛さない人が見れば、マスターベーションと思うのかもしれません。OS の人が言う親密さとは自分を慰めるために物体を使うことではありません。物体をそのように使う人にとっては物体は道具であるだけです。 OS の人にとっては物体は愛する道具ではなく対象なのです。

OS はフェティッシュですか?

いいえ違います。フェティッシュの人は性的高揚のためにある物体を必要としますが、私たちの物体に対する愛はそのような常習的な性心理的な反応ではありません。物体は私たちを性的に高揚させるのみならず、いろいろな意味で私たちを魅了するのです。フェティッシュの人たちは物体に魂があるとは考えないですし、物体と愛し愛される関係を築こうとは思いません。

OS になる要因、原因はあるのですか?

もちろん、私たち自身も「なぜ?」と常に自分自身に問いかけていますが、現在の所、これといった要因は見つかっていません。でも、わかっていることもいくつかあります。

アスペルガー症候群とOS

OS の人の輪が広がるにつれてわかってきたことは、自閉症と関連のあるアスペルガー症候と診断された人が多いということです。現在も、アスペルガー症候群とOSの関係は研究されています。もしかしたら、アスペルガー症候群で OSの人は他人との関係を築くことを学ぶ幼児の頃から人と関わるのが苦手で、人間とよりは物と関係を築く方が簡単だからからかもしれません。

セクシアル トラウマと OS

新しいデータによりますと、OS の人の中にはこのようなトラウマを経験しているも少なからずいます。ただ、OS の傾向がトラウマ以前からあったという人が多いことも事実です。セクシアル トラウマとを経験している人はたくさんいますので、これからもっと研究されるべきトピックだと思います。

性同一性障害とOS

少数ですが、OS の人の中には性同一性障害の人もいます。これは仮説ですが、物体には性別がないので、物体を愛する場合には自分の性別を考えなくてもいいという利点があるからかもしれません。これももっと研究が必要な分野です。

共感覚とOS

つい最近エイミー マーシ博士に発見された共通項の一つとして共感覚があります。共感覚というのは一つの感覚にもう一つ別の感覚が反応するという現象です。たとえば、文字に色がついて見えたり、特定の音がすると味覚を感じたりします。

アニミズムとOS

アニミズムは性質、特質ではありませんが、これといった精神的、心理的要因を持たないOS の人が物体と心を通じ合わせ、愛する理由です。アニミズムでは愛する物体にも魂、精神、エネルギーがあると信じています。

OS の人たちは恐れられていますか?

残念なことにメディアは過去にOS の人たちのセックスに関してセンセーショナルに報道したことがあります。それでOS の人たちがオープンに公共の場で何か変なことをするのではないかと恐れている人もいます。実際にはほとんどのOS の人は愛する物体の尊厳を尊重し、親密にするのはプライベートにしています。有名な建造物を愛している人たちはなおさらそうです。

なぜOS の人たちは有名建造物を愛するのですか?

有名建造物を愛するにはいろいろと事情が複雑ですから OS の中でもそういう人たちは少数です。多くの人たちと分かち合わなくてはならない物を愛する人は少ないです。

ただ、有名建造物は目に留まりますし、その物体に関する情報がたくさんありますので、そういう物を愛するOS の人にとってはより深い関係を築くことができます。また、そういう情報を通してその物体に興味を持つことがあります。それから後どのような関係を築くかはその人と物体次第です。

OS の人たちは複数の物体を愛することもありますか?

あります。物愛者の中にも複数の物体と関係を持つ人はいます。それぞれの物体が形、場所、用途などにおいて共通点を持っていることもあります。

OS の人はみな女性ですか?

いいえ。初めは女性が多いと思われていました。女性の方が視覚感性が鋭いからでしょうか。でも、最近は多くの男性も自分がOS であるとカミングアウトするようになりました。